2015/11/09

ムキタケの下処理と料理法

晩秋きのこを代表するムキタケである。
ムキタケは黄色い個体と上の画像のようなオリーブ色した個体と
二種類があるようで、近年はこの二つはそれぞれ別の種として区別されて
いるようだ。

現在ムキタケはSarcomyxa Serotinaという学名がついており、これは上の
画像のようなオリーブ色の種のほうであり、黄色いほうはS Edulisという
区別がされている。
和名ではムキタケの名は黄色いほうであって、オリーブ色のほうは
ムキタケよりも発生時期が少し遅いこともありオソムキタケと呼ばれている。
しかしながら両者は色こそ違うが味も何もほとんど同じなので、
人に説明する際も面倒なのでムキタケと呼んでいる。
そもそも某の住む地方では本来のムキタケを確認したことがなく、
オソムキタケしか見たことがない。
日本ではブナ等の広葉樹の立ち枯れや倒木に発生するようだが、
某が足を運ぶきのこ山ではもっぱらシラカバ等のBirchと呼ばれる広葉樹に
発生する。
ムキタケと聞くとついつい似た毒菌としてツキヨタケとの判別で
慎重になることがある。
一般的なのは柄の部分に黒いシミがあるかないかで判別したりするが、
オソムキタケの発生する晩秋以降にはツキヨタケは発生しない
(とは限らないが)ので、比較的安全に採取できるようである。
さらに朗報なのはツキヨタケは日本をはじめアジア圏で確認されるきのこで
某の住むカナダには存在しないので、誤食の可能性はほとんどないので
きのこ初心者にも安心して採取できるきのこである。
ムキタケは味もまろやかで食材としてとても使いやすい優秀な食菌である。
そして比較的簡単にそして一度に大量に採れるし、ついついたくさん
採ってしまう。

このきのこは粘性がないというが、雨後の湿った森を歩くと僅かながら
粘性を帯びた個体が多くなる。
そんな時期に無造作にポリ袋にどんどんきのこを詰め込んでいくと、
松葉やゴミがたくさん付着して持ち帰ることになる。
持ち帰ったムキタケはまずは水に浸けてゴミを取ったりヒダの中に
隠れている虫を出す。
柄の部分より上で切り取り、そのままジップロックで冷蔵庫で約一週間は
保存出来るが、それ以上となると冷凍や塩漬け保存が有効的である。
天ぷら等には向かないムキタケだがみそ汁や鍋物にはとても良く合う。
ある程度汁を吸わせて頂く料理には最適のきのこである。
先日はムキタケがメインの玉子とじムキタケ丼を作った。
普通に親子丼等を作るように丼つゆにタマネギとムキタケを入れて
溶き卵でとじて丼にするのだが、これが意外と旨く病み付きになる。

しかしムキタケ料理で某が一番おすすめなのは湯通ししたムキタケの
お刺身である。
ムキタケはその名の通り表皮が簡単に剝ける。
一皮剥くと綺麗な白色に近いクリーム色になって見た目も良い。
簡単に剝けると言ったが湯通ししたほうがもっと簡単に表皮が剥がれる。
湯通ししたムキタケを冷水で冷やし、適当な大きさに切り分けて
わさび醤油または生姜醤油で頂く。
これはかなりいける。ムキタケ特有のゼラチン質が絶妙な食感で
しかも何となく貝類の刺身を食べているような感覚になるのが不思議だ。

なので某の家では採れたてのムキタケはいつも刺身で頂き、残ったものは
保存用として塩漬けし、後日汁物用として使うようにしている。

 

0 件のコメント:

コメントを投稿